• 血糖スパイク


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    現代人の食事は糖質が極端に多く、実に様々な悪影響を招いています。

    誰もが知っているのはムシ歯で、歯科では患者さんに糖質の悪影響を説明することは日常茶飯です。しかし実はそれ以外にもたいへんな問題を引き起こしています。

    その中の一つに「血糖値の乱高下」というものがあります。血糖値というと糖尿病の人以外には無関係のように思われていましたが、実は万人に大アリであることが解かってきました。

     

    血糖値は乱高下する

    血糖値とは血液中のブドウ糖の量だと思ってください。平常時ではだいたい90~100 mg/dlと言われていますが、ゴハンを食べると炭水化物は糖質に分解され、30~60分かけて150近くまで上昇します。

    血糖値が上がると膵臓からインスリンというホルモンが出てきて、糖分を血中から細胞内に取り込む指令を出します。その結果、血糖値はまた元の値に戻る………というのが従来からの定説です。

    ところが実際にはそんな単純ではなく、血糖値とは「ものすごく変動し、それに伴っていろいろな不都合が発生する」という事が解かってきました。これは血糖値を連続して自動で測る機械が出てきて、いろんな結果が集まってきたからなのです。

    血糖値は上がって元に戻るのではなく、実は一旦平常時よりも下がります。どうやらそんなに正確にコントロールできないようなのです。

    下がりすぎると生命が危なくなりますので、今度は副腎というところからアドレナリンとかコルチゾールという「興奮系のホルモン」が出てきます。これらは肝臓に働きかけ、糖分を合成させ血糖値を上げようとします(糖新生って言います)。

    ところがこれもコントロールが正確にできるわけではないようで、上がり過ぎてしまいます。ということで、これらの過程を繰り返して、やっと90~100くらいに安定することになります。

    この上下動は緩ければ緩いほど生体に安全なのですが、急激に起きると血糖値の下のピーク付近の時間帯で、眠気・不安感・歯ぎしり・寝汗といった、いわゆる不定愁訴が発生しやすくなります。急激な低血糖でエネルギーが切れている状況で、興奮系ホルモンが体にムチを入れるからです。午後3時くらいに眠くなる方の原因は、ほぼこれであり、夜間の歯ぎしりも血糖値の影響がかなり出ているようです。

    さらに、血糖値がやっと安定するかという時間にまた糖質を入れると、さっきよりひどい乱高下が始まります。多くの人はこれに気付かず生活をしているということです。

     

    乱高下の原因

    血糖値の上がり方が急激な方は、下がるのもまた急です。これが日常化していると調節障害を起こし、上のピークは200を軽く超えてしまいます。こうなると血管の中では活性酸素という猛毒が大量に産生され、動脈硬化となります。

    血糖値を特に急上昇させやすいのは、人工的に精製された純度の高い糖分を入れた時です。たとえば、

    1. 白米
    2. 白パン
    3. 白砂糖
    4. 果糖ブドウ糖液糖

    なんてのがよくあるもので、これを空きっ腹に入れたらさらに危険です。いわゆるスポーツドリンクの大きな問題点はこれで、あまりに急激なピークなので「血糖スパイク」と呼ばれています。

    血糖値は上にスパイクを起こしても、下にもスパイクの時間帯があるので、1日を通して平均は90~100と正常範囲に入ってしまいます。これが病気を見逃している大きなポイントで、たとえば糖尿病の指標であるHbA1c(ヘモグロビンA1c)は直近2~3ヶ月の平均血糖値を反映しますが、血糖スパイクの悪影響は反映せず、基準値内で異常なしと言われてしまいます。もはやHbA1cだけでは糖尿病の評価はできなくなってしまいました。

    そこで私たちが診ているのは1.5AGという検査値です。1.5AGは血糖値の乱高下を反映し、これが10を切ると相当な糖質依存で、血糖値の乱高下を繰り返しているだろうと読みます。

     

    糖質は一時的なエネルギー

    糖質は大切な栄養素と言われていますが、これは一時的で急激なエネルギー供給用であることが解っています。これをさらに高純度した食品を何の疑問も持たずに食べるのが現代人ですが、生体はそのようなものに適応できるよにはできていなかったようです。

    それに対しタンパク質・脂質は血糖値を上げることはなく、持続的なエネルギー供給が可能です。特に脂質は人類本来のエネルギー源であることが明らかになってきており(ケトン体というものを生産します)、糖質は補助的な役割であったことが人類史から推測されるようになりました。

    タンパク質・脂質・糖質が三大栄養素と言われ、その比率は2:2:6であると家庭科の授業で習います。しかしこの比率にいったいどのような根拠があるかはまったく不明で、ただ慣例的に用いられてきただけのようです。

    このように食事・栄養の常識が大きく崩れ出している事に、多くの人が気がついて欲しいと思っています。そしてそれが予防や医療費削減の決定打になることに、疑いの余地はありません。

     

    《参考サイト》
    歯ぎしり、寝汗…潜む意外な原因「夜間低血糖」 日経メディカル&ヘルス


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